2006年11月19日
優勝
素晴らしいの一言です。
結果ではなくその内容、心の置き場所が素晴らしいです。
おめでとうございます。
武道では「心・技・体」に合わせて「気」の四つがあります。
今回の大会では「心」の部分が多分に問われたと思います。
この心技体を表す書物に「猫の妙術」というのがあります。
内容はここでは説明しませんが、その中での「心」の解釈は心をどこに置くかということです。
武道の最終形態は「無念無想」です。
そこからいくと何かにとらわれてはいけないということです。狙う気持ちがあってはいけないということです。ああきたらこうするとか、こうきたらああするとかそれはレベルが低い話です。
①堀井選手:1回戦の相手が優勝しました。でもその選手より堀井選手の方が強かったです。
打撃でも勝っていましたし、組み手も諸差しになり勝っていました。
そこから返す技術や体力がなかったわけではありません。
何かに心がとらわれそれが発揮できなかっただけだと思います。
柔術青帯でも優勝しかなり自信もついてきたので後もう少しだと思います。
正直今回は優勝すると思っていました。
②松井選手:自力はかなりあると思います。開始早々ダウンを奪いましたが、その後打撃で攻めることなく、タックルに行き1本負け。タックルをしようという心にとらわれたのだと思います。
ボクシングでも世界まで行けばボクサーもファイターもいません。ボクサーファイターしかいません。
その時に応じた戦い方が出来なければ、上には行けないと思います。
③須山選手:1回戦は見事でした。これも狙う気持ちが強かったと思います。不十分な組手の状態から同じ技を二度もかけ下になりました。残り時間や負けたくないとか、そんな気持ちにとらわれていたような気がします。
最近禅の本を読みました。
道元曰く「仏道を学ぶとは己を学ぶことであり、最後は己を忘れることだとありました。」
照顧却下:答えは自分の外ではなく自分の中にあるそうです。
最近「コーチング」という物を習いましたが、答えを与えるのではなく自分で考えさせるものだとありました。
禅と同じだと思いました。
④中村選手:優勝。すばらしいです。その結果ではなく内容が素晴らしかったです。しかも尻上がりによくなり決勝はスタイルが完成し、まるでミルコのようにアンタッチャブルでした。
心の置きどころが素晴らしかったです。途中膝蹴りが連発で入ったときもありましたが、そのことに心をとらわれることなく我慢して殴り返すこともなく、自分のスタイルを通しました。
今回の優勝は中村さんがこの年だからこそ出来たことだと思います。
ほかの3選手と対照的でしたが、これを見れたのはよかったことだと思います。
もう一つうれしかったことは僕を信じてくれたことです。
僕が言った通りのスタイルで、試合中も指示通りに動いてくれました。
それで優勝。
救われた気持ちです。
たまに自分で砂漠に水をまいているような気持ちになりますが、今日はよかったです。
お互い頑張りましょう。
Posted by k.o.shooto gym at 18:06│Comments(0)